アレフ・レポート No.02
オクラホマ連邦ビル爆破事件

●5 FEMAに隠された恐怖の計画

1.FEMAの正体

 仕方がないので、僕は父さんに、いままでわかったこと、わからないことを手紙で知らせた。そうすると、こんな説明が送られてきた。
 ずいぶん核心に迫ってきたようだね。それでは、FEMAの正体を話そう。

FEMA
統一世界政府支配のために存在しているFEMA

 連邦危機管理庁(FEMA)は、TC(三極委員会)委員ジミー・カーターが大統領在職中に創設され、ジョージ・ブッシュの大統領在職中に、ますます本来の目的を現実化させた。その目的とは――緊急時命令によって政府の指揮権コントロールを手中に収めること――!

 三極委員会とのリンクは偶然ではない。もう一つの東部エスタブリッシュメント・シンクタンク、ニューヨークCFR(外交評議会)とともに、三極委員会は効果的にFEMAを操ってきたのだ。

 FEMA創設の背後にあった理論家は、カーター政権下の国家安全保障会議顧問サミュエル・ハンティントン。それ以前には、ブレジンスキーが三極委員会の実質的な指導者であった。建前だけの民主主義者ブレジンスキーは、ジョージ・ブッシュの1988年軍事行動の戦略政策についての一級顧問となり、続けてブッシュ政権の非公式顧問を務めた。ハンティントンはFEMA顧問理事の一員でもある。ハンティントンとブレジンスキーはどちらもCFRに属している。

 このアメリカ影の政府の中枢ともいえるTCとCFRは、FEMAになぜここまで肩入れするのか。それは、その創設の経緯を見る必要がある。

 FEMAは1979年3月、大統領批評覚え書き(PRM)32によって創設され、国家緊急事態時における「政府の継続性(COG)」を維持することを任務とした。PRM32は憲法のもとにはなく、緊急事態宣言によって、国家安全保障会議の役人が合衆国政府機能を指揮する力を与えるものだ。

 今述べたことの中には、大切なポイントが二つある。

    1 FEMAは大統領令によって作られた。が、本来、こういう機関は法律で制定されるべきものだ(つまり、議会で作られなければならない)。アメリカでは議会と大統領の権限は完全に分離しているというのが原則。だから、リンカーンの「奴隷解放令」も、厳密にいえば何の効力ももたない。大統領令はそれだけ弱いものなのだ。その大統領令で作られたFEMAが、大きな権限を持とうとしているのは、アメリカ国民の意思ではない。

    2 緊急事態宣言時には、国家安全保障会議の役人が全権を掌握する。これは、憲法にない機関がいきなり国を乗っ取るということだ。

 FEMAを国家安全保障会議の下に置くことによって、ハンティントン、ブレジンスキーらは、国家安全保障会議を陰の専門技術者独裁政権に変え、国家の指揮権を握るために現実の危機またはでっち上げの危機を待ち構えている。

FEMA
緊急事態時のFEMAの活動

 ここで、一連の大統領令を見れば、何が仕組まれようとしているかがわかってくる。「緊急事態に関する大統領令」を書いた別紙のほうには全文を載せてあるので、あとでじっくり見てほしいが、ここでは大ざっぱに概要をまとめてみよう。
  • その目的は、国防省とともに民間防衛計画を遂行する「緊急事態時の皇帝」を作ること。
  • 緊急事態時の判断機関として国家安全保障会議(NSC)を任命し、政府に不都合な団体を非合法に排除できる。
  • すべての国境・空港・港を封じるために州兵を動員できる。
 緊急事態時に、憲法を停止して発動される予定の大統領令もある。このとき、政府はFEMAを通じて、以下のものを支配・コントロールすることになっているのだ。
  • 輸送、高速道路、港湾を支配。
  • 通信メディア。
  • 電力・ガス・石油・燃料・鉱物。
  • 食料と農場。
  • 市民動員。
  • 厚生・教育・福祉機能。
  • 全国民の国家登録証明書。
  • 全空港、全航空機。
  • 住宅地域の指定。
  • 鉄道・内陸水路・貯蔵庫。
 そして、このように明言されている。
    「国際緊張、経済危機、金融危機が増大したときに、FEMAがすべての行政命令を遂行できる権限を与える」

    「予期されない国家緊急事態にあたっては、FEMAがエネルギー資源の生産・分配、賃金、給料、通貨、金融を掌握する計画を立てる」

    「大統領が州の緊急事態宣言をしてから6ヶ月は、議会はそれに文句を言えない」

 つまり、「有事の際のFEMAと大統領の独裁体制」が準備されているわけだ。

FEMA
FEMAは有事にアメリカを乗っ取る

 FEMAは、議会と民衆には、「天災その他の災難に対して、適切で統制された対応を合衆国が行なうための機関である」と売り込まれたが、この機関は首尾一貫してその目的を果たし損ねてきた。たとえば、1989年のサンフランシスコ地震、ハリケーン・ヒューゴーで、FEMAの無能力さ加減と失態には、被害者と現地当局が怒り狂ったものである。

 FEMAは、現地では実際の救助活動よりも、むしろ災害に対する大衆心理の分析に関心を持っていた。これはFEMAの10年間の記録でもはっきりしていることで、それは1979年のスリーマイル島原発事故のパニック屋的な扱いに始まるものだ。

 FEMA自身の行動によって、災害準備のための官庁でないことが証明されてきた。その真の目的は、CFRと三極委員会の1970年代政策決定にある。その決定は、「脱工業化社会」と「成長の限界」時代を誘導するというものである。このキーワードが現在のアメリカの大不況を招いたことは、もう説明の必要もないだろう。

 これらの政策決定を見れば、統一世界政府主義的緊急法規その他の「民主主義の顔をした統一世界政府主義」の助けを借りて、経済緊縮とそれに伴う社会不安を導くべく、エスタブリッシュメントが意識的な決定をなしたことがわかる。

 最初期の三極委員会レポートの一つが、1975年発行の『民主主義の危機』、ハンティントンの書いたものだ。ここには、「経済危機のときには民主主義政府は停止せよ」という恐ろしい文言がある。

「我々は、経済成長には潜在的に限界を設けるべきであると理解するようになった。また、政治的な民主主義の限界のない拡大に対しても、潜在的限界を設けるべきなのだ。……大変動の危機においては犠牲が必要だが、権威なき政府はその犠牲を国民に強いるだけの能力を持たないであろう」

 1973年、外交評議会(CFR)は「1980年代プロジェクト」を発動した。それは「我が55年史における最大唯一の結果」と呼ばれた。その記述によると、1980年代プロジェクトは、「世界の趨勢がいかに特定の魅力ある未来の結末に向けられているかを説き明かす」。ツビグニエフ・ブレジンスキーは1980年代プロジェクトの政府部門に属し、サミュエル・ハンティントンはその調整グループにいた。

 プロジェクトの最も重要な成果は、国際通貨基金(IMF)の上級顧問、故フレッド・ヒルシュによる財政混乱だ。

「1980年代の合理的な目標は、世界経済が統制されつつ崩壊する段階であり、そのように処理されるだろう。これからの国際経済秩序において主要な問題は、制限主義を招ことなく、統制された方法で崩壊が着実に起こるようにすることである」

 「統制された崩壊」は、ジミー・カーターの連邦準備制度理事会会長ポール・ヴォルカーのポリシーとなった。彼の高金利は、カーターとレーガンの時期に、合衆国の産業と農業の土台を台無しにしてしまった。

 1980年代プロジェクト文書のもう一つの鍵は、スティーヴン・グリーンによる国際災害救援(IDR)だ。未来には「巨大災害」が起こって「政情不安と、おそらくは闘争状態が生まれ、社会が自然災害に対処する能力はかなり弱まってしまう」と予想している。

 グリーンは、新しい災害救済対策を迅速に完成させることを勧めている。そして、国連のもとに中心的・世界的機関を作るよう要求している。この機関は、地方政府に対して災害状況に対処する権限を有しているものだ。「このような方法は、主権国家の支配権と国家主権の抽象概念を認めることでごまかされてきた圧迫に対する不満を、どんどん広げることになるだろう」

 経済危機と災害救援のときには、FEMAがアメリカを掌握する。そして、その「危機」を演出するのはCFRの手先であり、TCの手先なのだ。

FEMA
警察国家支配への道

 FEMAの権力は、レーガンとブッシュ政権の時期に高められ、この機関はいまや、イラクとの戦争や石油輸入停止など、国家安全保障の危機となる事件においては国を支配するほどの地位を得ている。

 FEMAという機関の鍵となるものは、政府機関すべてにわたって存在する100人の集団である。「政府の継続性(COG)」として知られるこの100人は、緊急時には政府部門を引き継ぐ。この集団の一人こそ、ほかならぬオリヴァー・ノース、ブッシュ大統領が「国家的英雄」と呼んだ人物だ。

 ブッシュは、イラン・コントラの大失態と、レーガン時代に設置されたFEMAに関連した危機管理機能の双方の中心的な位置にいる。

 1982年はじめ、レーガンは特殊状況集団(SSG)を創設し、副大統領のブッシュを議長にした。 SSGは、特に危機の予想において計画を定式化するよう命じられている。この未然の危機計画能力を用意にするため、危機状態未然計画集団(CPPG)が併設されている。

 ノースは、このCPPGに任命された――そして1984年には『国王(Rex)』という本で合衆国の警察国家支配のための試案を書いている。

 この構造の当然の結果として、イラン・コントラ監査役は異常なほどの権力を振るい、内外に様々なことをなした。そのなかには、プロジェクト民主主義の一つとしてのフィリピンのフェルディナンド・マルコス失脚、FEMAネットワークへの最大の脅威と目されたリンドン・ラルーシュを政府が逮捕するという事件もあった(88年12月、ラルーシュを有罪とした陪審長のバスター・ホートンは、ノースと同じCOGの100人の一人である)。

 1982年7月22日、レーガン大統領は国家安全保障決定指令47において、SSGとCPPGの定員を補充させた。「緊急事態動員準備」という題名のこの指令47は、合衆国政府の連邦部局の義務を、国家安全保障の危機または国内緊急事態に対処することとしたものだ。大統領は緊急事態総動員準備委員会(EMPB)に、指令に詳述されたプログラムを遂行するよう命じた。この指令とは、系統立った警察国家的手段による市民権の制限も含まれる。

 局に入って最初に、ブッシュは国家安全保障会議(NSC)の権力を高めた。NSCの主要部こそ、FEMAを動かしている中枢である。
 
 ブッシュは、FEMAのリーダーシップを高めるために、諜報秘密作戦ネットワークの引退者を集めた。その一人、ジェリー・ジェニングスは90年5月に次長となっている。ジェニングスには、1973年以来4つの政権のもとで国家安全保障の大統領顧問としてホワイトハウスに勤務した10年近い経歴がある。それ以前には、ベトナム戦争中(1965-68)に極東CIAに勤務しており、さらにFBIで麻薬を担当していた。

 FEMAは、予算の約6%だけを国家緊急事態に使っている。その基金の大部分は、秘密地下施設を建設して「国内外の主要な緊急事態に際して政府の存続を保障」するために、また刑務所と「収容所」を「難民施設」の指定のもとに作るために使われた(それは、いかなる種類の難民収容のためにも使われたことがない)。これは緊急事態時に新世界秩序・統一世界政府の方針に従わないまともな人々を拘引・留置し、拷問にかけ、暗殺するための恐怖の施設なのである。

 FEMAは、緊急事態時における秘密警察ともなるだろう。憲法を無視し、世論を無視して、統一世界政府の権力をすべてに及ぼす特殊部隊ともなるだろう。

 いや、そのときには、FEMAこそがアメリカ政府と同義となる。つまり、新世界秩序の一機関としての影の政府がアメリカに出現することになるだろう。

 これで僕にもわかった。

 このFEMAの策謀に対して敏感に察知し、我が身を守ろうとしているのがミリシャということになる。アメリカでの銃規制法案は、緊急事態のどさくさに紛れてアメリカを支配しようとするFEMAのジャマをするミリシャを排除するためのものだ。

 アメリカにおいては、憲法修正第2条がミリシャを認めている。そのミリシャを、法的根拠のないFEMAが押さえ込もうとしている。ここにはかなりの無理がある。だから、陰謀が必要になった。

 オクラホマ・シティ・アルフレッド・P・マラー連邦ビル爆破事件は、ミリシャに対する世論を硬化させ、その勢力を削ぐためにFBI、ATFが仕組んだ、自作自演の陰謀だったのだ。ミリシャがテロを行なったのではなく、FBI、ATFがテロを自演した。

 僕はもう一度ブリュンヒルデの手紙を読み直してみた。今、その意味はよくわかる。
 オクラホマ・シティ・アルフレッド・P・マラー連邦ビル爆破事件は、ミリシャ(militia)をつぶすために仕組まれたもの。犯人とされたマクヴェイもニコラスも、ミリシャに所属してた。

 合衆国は、ミリシャをつぶそうとしてる。だから、FBIがこの事件を仕組んで、ミリシャに罪を着せたの。
 ミリシャをつぶす一方でFEMAを強化して、連邦の権限を強め、来たるべき時にアメリカ国民を「殺戮処分」するための計画の一つ。

 統一世界政府の新世界秩序は、この事件を最大限に活用して、彼らの計画をさらに進めることに成功したことを忘れないで。

B.L.


2.日本版FEMAの陰謀がある

 もう少し調べてみてわかったのだが、このような「緊急事態時に国家を乗っ取り、警察国家体制によって統治する」計画は、アメリカで進行しているだけではない。世界各国で着々と進められている。

 もちろん、アメリカの属国たる日本も例外ではない。最近進行している行政改革の中で、内閣官房に「危機管理監」というものを置くことになりそうだ。これは、体系だった危機管理システムがないという専門家の指摘によるもの。「事件、事故、災害などの突発事態に対応する危機管理機能の強化」といっているが、これはまさにFEMAそのものだ。すでに平成10年度予算の概算要求には1億1000万円が盛り込まれている。

 危機管理アナリストの小川和久氏は、「まず事態発生から72時間以内の対処方法を確立し、将来的には日本版FEMAの創設など、体系的な整備が必要だ」と話している。

 今、何が危険なのか、しっかりとその本質を見極めなければならないようだ。


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